子育て Q & A
 Q  3歳児(男児)のお母様からのご相談

私は41才主人は46才、息子は3才です。あとネコ2匹。

主人は息子と遊ぶ時は遊んでくれるのですが、やはり自分のやりたい事がある時はうっとうしいようです。誰でもそうだと思うのですが。

息子が生まれてからいろいろなかかわりがありました。息子を長い時間あずけられるのはいやなようで、買い物・美容院・職場でのお付き合いなど「見ているから行っておいで」と言われたことは一度もありません。雰囲気で『いやなんだ』という感じが受け取られます。

私もその様子をうかがいながら遠慮しながら声をかけたり、あきらめたり、今もそうですが、息子が保育園に行くようになり、少し楽になってきました。

息子を見ていてほしいと言うと、「他の人は子供をつれて出かけたり、買い物をしたり出来るのに、何であんたは出来ないんだ」と言われ、『そんならやってやる』と私も意地をはってしまう事も。

保育園の送迎は基本的に母親のする事。夜寝かせるのは母親、朝は自分が休みでも手伝うことはなく寝ている。

私も主人をあてにしないようにしていますが。恥ずかしい事に、主人の気になることをならべてしまったのですが。主人にも洗濯物をたたんでおいてくれたり、夕食後の片づけをしてくれたりと、助けられていることもあります。

私も主人に思っている事をうまく伝えられないのもいけないことだとは感じています。私にとってその場で言葉ではうまく伝える事が難しく、今までも何回も手紙で自分の気持ちを伝えてきました。少しずつはわかってくれていると思うのですが。

取りとめのない内容で申し訳ありませんが、ご意見をお聞かせください。よろしくお願いいたします。

 A 

 世の中にはいろいろな夫婦が居ます。亭主関白の家庭もありますし、何もしない主婦が一番大きな顔をしている家庭もあります。ご主人があまり家事を手伝わなくてもご夫婦二人の時はなんとかなってしまった、でも、子供が生まれると自分ばかり家の事をしなければならない状況がストレスになっていると言えます。

 多かれ少なかれ、幼児を持った母親はそう感じているのではないでしょうか。

 お恥ずかしい話ですが、私の場合も似たようなものでした。主人は本家の長男と云う事もあり、箸より重いものはもったことのない人です。私も家にいた頃は上げ膳据え膳で育ってしまったのですが、誰かがやらなくてはいけない家事を前に、積極的に動き出したのは私の方で、それ以来私がやるものだと相手は思い込んでしまったようです。

 ご主人の場合は世代的にも子育ては母親がするべきだという一世代前の子育ての図式を頭に持っている以上、何を言っても無駄だと思われます。また、万一気持ちは解ってもらえても実際に動いてもらえるかは別の問題なのです。つまり、気がつかない、できないというように育っている可能性が高いからです。

 ご主人は3歳のお子さんに対し自分とは別の生きものだと思われているのかもしれませんつまり、何をどのようにいえばよいのか、何を好きで何が嫌いなのか解らず、『子供と二人きりにされたら大変だ』との思いが強いのではないでしょうか。また、母親と子供とのやりとりを見て『育児は大変だ』との感想を持ち、余計遠ざかっていようと思っているのかもしれません

 もし、そうであれば、「子供は小さくても一人の人間」「話せば解る」「家族の一員で一緒にいると楽しい」と云うことを理解してもらいましょう。そのためには、母親であるあなた自身がそう確信できなければならないと思います。どうぞ、母親としてのスキルを磨き、『楽しそうだな、自分も入りたいな』と、思えるような母子関係を作ってくださいませ。

所見  

 昔の言葉で「子は鎹(かすがい)」という言葉があります。夫婦の間に子供が居ることで夫婦の絆が強くなるといった意味だったかと思います。最近は、鎹になるよりもトラブルの元になる事の方が多いのかもしれません。連れ子が邪魔で再婚相手ともども両親が子供を虐待する例があとをたちません。

 本当の両親の間でも、子育てに対する意見も子供に対する見方も違うことが多いと言えます。むしろ、違った4つの目で見ながら育てることで、幼児はある意味で偏らずに成長するとも言えます。

 が、最近は夫婦同士でも互いに本音を出し合えず、理解してもらおうとの努力もしない結果、互いに何を思っているのか解らずすれ違うケースが多いのではないでしょうか。

 子育てについて話し合い互いに理解しあう中で、夫婦が成熟していくと私は思います。解ってもらうために手紙を書くこともよいのですが、リアルタイムに腹を割って話す事が互いを知る上でもっと大切だと私は考えます。

 自分が傷ついたり相手を傷つけるのがイヤで、互いに話し合う習慣をつけておかないと、子供が青少年になり本当に皆で話し合わなくてはならない時に、互いを何をどう言えば相手が解ってくれるか解らず、悩むことになってしまいます。これは子供に対しても同じで、真剣に言葉をかけても、言葉が子供に届かずに終わってしまいます

 羨ましく感じられるかと思いますが、最近の若いご両親の場合、「子育てに煮詰まっている母親の心情を察し、本人に覚られないよう父親が母親の代わりを務める」という例が見られます。

 つくづくそんなだんな様を持った奥様は幸せだなあと思うと共に、「男は一歩外に出ると7人の敵が居る」と言われるのに、そこまで(母親に)気を使うのは本当に大変だなあ、子育ての形式も変わったものだと感じる今日この頃です。

母親任せのパターンも、母親の分までカバーしようとするパターンも、それで支障が無ければよいのですが、できれば互いに同じ土俵で両親が話し合える家庭であることが、大切なのではないでしょうか。子供は家庭での両親を見て育ち、自分の家庭を作るものですから。